在職老齢年金制度について…
在職老齢年金制度(ざいしょくろうれいねんきんせいど)とは、日本の公的年金制度の一部で、「年金を受給しながら働いて収入を得ている人」に対して、年金の支給額を一部または全部減額・停止する仕組みです。主に厚生年金に加入しながら働く60歳以上の方が対象になります。
以下に制度の詳細をご説明します。
🧾 在職老齢年金制度とは?
▶ 制度の概要
在職老齢年金とは、老齢厚生年金の受給権を持つ人が働きながら収入を得ている場合に、収入に応じて年金の支給額を調整する仕組みです。
対象となるのは、以下の両方に該当する人です:
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老齢厚生年金の受給資格がある人(原則として報酬比例部分を含む)
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厚生年金に加入している(=会社などで働いている)
🎯 対象者の区分
在職老齢年金には、年齢によって扱いが異なる2つの区分があります。
| 年齢 | 対象となる年金 | 支給調整の有無 |
|---|---|---|
| 60歳〜64歳 | 特別支給の老齢厚生年金など | 支給停止あり |
| 65歳以上 | 老齢厚生年金(本来の年金) | 支給停止あり(緩和あり) |
💰 支給調整のしくみ
支給の有無や調整の対象は、主に**「総報酬月額相当額」+「年金月額」**の合計によって判断されます。
◼ 60歳〜64歳の場合(※2025年3月までは特別支給制度が存在)
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基準額:月28万円
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この基準を超えると、超えた分の1/2が年金から減額されます。
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つまり、「総報酬月額相当額(給与+賞与の月換算)+年金月額」 が28万円を超えた場合、超えた分の半分が年金からカットされる。
例:
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総報酬月額:20万円
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年金月額:12万円
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合計:32万円 → 28万円を4万円オーバー
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減額額:4万円 × 1/2 = 2万円
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実際の年金支給額:12万円 – 2万円 = 10万円
◼ 65歳以上の場合(2022年4月より変更あり)
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基準額:月47万円(2022年4月から引き上げられました)
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計算方法は60〜64歳と同じですが、基準額が高く設定されており、多くの人にとって影響は軽微になります。
例:
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総報酬月額:35万円
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年金月額:15万円
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合計:50万円 → 47万円を3万円オーバー
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減額額:3万円 × 1/2 = 1万5,000円
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実際の年金支給額:15万円 – 1.5万円 = 13万5,000円
📌 注意点・補足事項
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**65歳になると、老齢基礎年金(国民年金)は全額支給されます。**減額の対象は老齢厚生年金だけです。
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一定の月収を下回った場合や退職した場合には、年金の停止が解除され、再支給される場合があります。
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賞与の扱い:年3回以下であれば、1年分を12で割って月額に換算され、報酬月額に加算されます。
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在職中でも年金を受給していることで、**年金保険料を払っている間も「在職中の改定」**という仕組みで、年金額が毎年見直されて増えることがあります。
🧮 簡易シミュレーション(ざっくり)
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働きながら月30万円の給与をもらっていて、月10万円の厚生年金を受け取っている人(60歳~64歳)
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合計:40万円 → 28万円を12万円オーバー
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減額:12万円 × 1/2 = 6万円
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年金支給:10万円 – 6万円 = 4万円
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✅ こんな人に重要な制度です
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定年後も働き続けたいと考えている方
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60歳以降の収入と年金のバランスを考えたい方
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年金の受給開始時期や働き方の選択肢を検討している方






