野村アセットマネジメントの調査「投資信託に関する意識調査2024」によると、2022年から2024年にかけて個人投資家は約130万人も増加しています。

出典元:野村アセットマネジメント「投資信託に関する意識調査2024」
同調査によると、特に20〜40代の現役世代で投資への関心が高まっているようです。
とは言え、「仕事・家事・育児などで投資に時間が割けない」という方も少なくありません。
そこで注目されているのが、ロボアドバイザーを活用した自動運用サービス「ウェルスナビ」です。
ウェルスナビは、簡単な質問に答えるだけで運用プランを提案してくれるうえに、国際分散投資や自動リバランスを手間なく実施できる便利なサービスです。
その一方で、「やめた方がいい」「手数料が高い」「自分で運用した方が効率的」といった理由から、ネガティブな評判があるため、利用すべきか迷っている方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、「ウェルスナビはやめた方がいい」と言われる理由を紹介するとともに、おすすめポイントも紹介します。
おすすめできる人・おすすめできない人も紹介するので、ウェルスナビの利用で迷っている方はぜひ最後までご覧ください。
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ウェルスナビはやめたほうがいいと言われる理由
ウェルスナビは、自動で資産運用をおこなえるサービスです。
国内外の株・債券・不動産・金など、実に多種多様な商品を組み合わせて、世界中の約50カ国・約1万2,000銘柄に分散投資します。
最初に簡単な質問に答えたら、あとは口座に資金を振り込むだけでOKです。
自分で投資する商品を選んだり、証券会社の口座を作ったりといった、難しい手間も知識も必要ありません。
とは言え、以下の理由から「ウェルスナビはやめた方がいい」と言われることもあります。
以下で詳しく解説します。
必ず利益が出るとは限らない
ウェルスナビは、100%利益が出せるわけではありません。
ウェルスナビのポートフォリオに用いられている金融アルゴリズムは、ノーベル賞受賞者ハリー・マーコビッズの経済理論をもとにしたものであり、利益が出せるように作られてはいます。
とは言え、ウェルスナビは投資であり、「元本割れ」の可能性も十分あります。
株・FX・投資信託など、他の投資と同様にリスクがある点は留意しておきましょう。
手数料が高い
株や投資信託など、投資において手数料はつきものです。
ウェルスナビでは今まで投資した金額に応じて、年間1.1%の手数料がかかります。
ウェルスナビの手数料
預かり資産 | 年間手数料(税込) |
---|---|
3,000万円まで | 投資金額の1.1% |
3,000万円超 | 投資金額の0.55% |
たとえば30万円を投資した場合、年間手数料は約3,300円(税込)です。
この年間手数料の12分の1が、1ヶ月ごとに分割して引き落とされます。
預かり資産が増えれば増えるほど手数料は高くなり、将来的に300万円投資したと仮定すると、年間手数料は約3万3,000円もかかってしまいます。
ウェルスナビの手数料は、自動投資システムサービスの中で特別高いというわけではありませんが、自分で金融商品を選んで個別購入すればもっと手数料を安くできる可能性も。
手数料の割引率は低い
- 年間投資金額が3,000万円を超えると、手数料が0.55%に割引
- 投資総額が50万円以上の状態で半年以上運用すると、半年に1回、手数料が0.01%ずつ値下げ
年間投資金額が3,000万円を超えると、手数料が0.55%に割引されます。
しかしほとんどの人は、年間3,000万円も投資しないでしょうから、この割引条件を達成できる可能性は低いです。
またウェルスナビでは、長期運用すると手数料の割引が受けられます。
投資総額が50万円を超えている状態で半年以上運用すると、半年に1回、手数料が0.01%ずつ値下げされていきます。
この割引条件を満たすのは比較的簡単ですが、割引率は低く、さほどお得に感じられないでしょう。
「割引率が上がってるし、もう少し解約しないで運用してみようかな」と思い留まるきっかけにはなるかもしれません。
最低10万円からとハードルが高い
ウェルスナビを始めるには、最初に10万円以上の投資をおこなう必要があります。
その後は、毎月1万円から自動積立投資が可能です。
「確実に利益が出るとは限らないのに、いきなり10万円は払いにくい」「月1万円以上は負担が大きい」と感じる人もいるでしょう。
ウェルスナビは、ある程度まとまったお金を資産運用に回したい人向けのサービスです。
ウェルスナビの8つのメリット
「デメリットがあるウェルスナビはやめたほうがいい?」と不安に思われるかもしれません。
しかし、ウェルスナビにはメリットもたくさんあります。
自動で簡単に資産運用できる
ウェルスナビの大きなメリットはやはり、楽で簡単なところです。
最初に質問に回答するだけで、自分に合ったポートフォリオをロボアドバイザーが組んでくれます。
資金の運用はすべてサービス側が自動でおこなうので、難しい知識や手間は必要ありません。
たまに運用状況を確認し、基本的にはほったらかしでOKです。
個別株やFXでは、企業の決算資料に目を通したり、世界情勢を常に意識したりする必要があります。
また売り時・買い時の冷静な判断や、勉強を続ける姿勢が求められるのも大変です。
ウェルスナビなら、このような手間をすべてスキップできます。
預かり資産・運用者数国内No.1の実績がある
ウェルスナビは預かり資産・運用者数国内No.1の実績を持っています。
それだけ納得感をもって続けている人が多いということでしょう。
いくら楽に資産運用がおこなえるとはいえ、まったく利益が出ないようなサービスだったら、みんな解約してしまいますよね。
もちろんだからといって、100%利益が出せる保証はありません。
しかし預かり資産や運用者数の多さは、信頼できるサービスであるというひとつの判断基準になります。
リスクとリターンのバランスを選べる
「リターンは少なめで構わないから、とにかく損をしたくない」「積極的にリターンを狙って豊かな老後を送りたい」など、人によって目指すゴールはさまざま。
ウェルスナビでは最初の質問によって、各自のリスク許容度を5段階で判定します。
自分の投資スタンスに合っていない無理なポートフォリオを組まれる可能性は低いので、安心です。
高いリターンを狙うなら、その分リスクも高くなります。
リスクをおさえた場合、期待できるリターンは少なくなります。
リターンより先にリスクを考えるのがおすすめです。
リスク許容度は運用中に変更可能です。
しかし「年収に変化があった」「人生設計が変わった」などの場合以外は、基本的に変更しないことが推奨されています。
積立投資と一括投資ができる
ウェルスナビでは「自動積立」と「一括投資」がおこなえます。
- 自動積立…設定した金額をコツコツ投資
- 一括投資…任意の金額を都度投資
さらに自動積立には、次の4つのコースがあります。
- 月1回定額
- 月5回定額
- 複数回定額
- カスタム
自動積立で得た利益は出金しない限り、自動的に投資に回されます。
資金が大きくなることで利益も増える、複利の効果が得られますよ。
また自動積立では、商品の価格が高いときに買いすぎず、安いときは多く買うように設定されています。
購入コストをおさえることが可能です。
積立投資と一括投資はどっちがいい?
自動積立のほうが最終的なリターンが多くなるとは限りません。
しかし、一括投資より自動積立のほうが、リスクは下げられます。
自動積立を基本にして、一括投資は手元にお金ができたタイミングでおこない、資産運用の効率を上げていくのがおすすめです。
全世界に長期の分散投資ができる
ウェルスナビでは、自動で世界中の約50カ国・約1万2,000銘柄に分散投資できます。
投資する国や銘柄を分けることで、リスクの分散が可能です。
自分で投資信託やETFを購入しようとすると、「過去の成績は良いか」「運用にかかる手数料はどのくらいか」「投資先は何か」など調べなくてはならないことがたくさんあり、実に大変です。
しかしウェルスナビなら、最適な商品の組み合わせを考えてくれるので、自分で頭を悩ませる必要がありません。
手数料負けする可能性は低い
ウェルスナビは預かり資産に応じて手数料が高くなるため、長く運用すればするほど手数料が負担になっていきます。
とはいえ、手数料負けする可能性は低いです。
ウェルスナビが提示しているシュミレーションでは、手数料込みでも十分に利益が出る計算となっています。
自動で税金対策できる
おまかせNISAとDeTAXによって、税負担が自動で軽減されるのもメリットです。
おまかせNISAとは
一般NISAの非課税枠を、自動で積極的に使って資産運用するサービスです。
リターンが大きい商品、たとえば株や不動産などは、NISA口座で優先的に購入されます。
非課税枠を使い切った後は、一般口座に移行します。
面倒な手続きは必要ありません。
DeTAXとは?
「特定口座」を作っている場合に利用できる、税負担の最適化機能です。
利益が出たときに損失が出ている商品を売却して、利益と損失を相殺。
その年の利益を圧縮することで、課税を翌年に繰り延べします。
手元に残る資産が増え、再投資による複利の効果を得やすくなるのがメリットです。
アプリのデザインが見やすい
ウェルスナビはスマホアプリから簡単に各種手続きがおこなえます。
「アプリのデザインが見やすい」「グラフで表示されるから、視覚的にわかりやすい」とクチコミで好評です。
ごちゃごちゃしていないシンプルな画面なので、初心者でも運用状況を理解しやすいでしょう。
ウェルスナビの評判・口コミ
ここからは、ウェルスナビの評判・口コミを紹介します。
以下で詳しく解説します。
ウェルスナビの良い評判・口コミ
以下は、ウェルスナビの良い評判・口コミです。

年齢:20代
評価:★★★★4点

年齢:30代
評価:★★★★4点

年齢:30代
評価:★★★★4点
ウェルスナビの悪い評判・口コミ
以下は、ウェルスナビの悪い評判・口コミです。

年齢:30代
評価:★★★3点

年齢:40代
評価:★★★3点

年齢:20代
評価:★★2点
ウェルスナビの評判・口コミ|まとめ
ウェルスナビは、投資初心者でも簡単に資産運用ができる点が高く評価されています。
特に、ポートフォリオの自動作成や運用の手間がかからないこと、全世界に分散投資できることがメリットとして挙げられます。
また、「おまかせNISA」や「DeTAX」などの税金最適化機能も好評で、長期的に資産を増やしやすい仕組みが整っています。
一方で、年間1.1%の手数料の高さや、最低投資額が10万円とハードルが高い点はデメリットとして指摘されています。
とは言え、長期的にコツコツと資産形成を目指す人にとっては、ウェルスナビは非常に便利なサービスです。
手間をかけずに分散投資をしたい人や、投資初心者で運用を学びながら始めたい人には、おすすめできる選択肢の一つです。
ウェルスナビがおすすめできる人・できない人の特徴
ウェルスナビがおすすめな人・やめたほうがいい人の特徴をご紹介します。
ウェルスナビがおすすめな人の特徴
- 勉強や情報収集に時間を割きたくない
- 投資について詳しくない
- プロが考えた方法で長期投資したい
ウェルスナビは長期投資を前提としています。
数年・数十年単位でじっくり資産を積み上げたいと考えているなら、おすすめです。
また投資先の国や企業についての知識や、投資テクニックに関する勉強も基本的に不要。
「情報収集が面倒」「初心者でもプロが考えた方法で着実に利益を上げたい」という場合にもおすすめです。
ウェルスナビがおすすめできない人の特徴
- 短期で利益を出したい
- 運用コストを節約したい
- 少額から投資を始めたい
ウェルスナビは短期投資に不向きです。
数日~数週間で利益をしっかり上げられる見込みは薄いため、短期投資を考えているならやめたほうがいいでしょう。
また自分で個別に銘柄を買った場合より、運用コストが高くなってしまう可能性があります。
さらに最低10万円の資金が必要なため、100円から投資できるようなサービスと比べて始めにくいのもデメリットです。
ウェルスナビに関するよくある質問
Q. 失敗した際に大損失する可能性はありますか?
ウェルスナビは元本を保証していません。
自分で用意したお金が0円になってしまう可能性も、なくはないです。
しかしそのような事態に陥る確率はきわめて低いでしょう。
また、ウェルスナビで借金をすることはありません。
どんなに投資先の価値が下がってしまっても、入金した資金を元におこなう投資なので、お金を請求されるようなことはありません。
しかし外部から借りたお金で資産運用をした場合、損失が出て返済できない事態に陥る可能性はあります。
あくまで余剰資金をもとに投資しましょう。
Q. ウェルスナビの運営会社はどこですか?
ウェルスナビは、ウェルスナビ株式会社が運営しています。
会社名 | ウェルスナビ株式会社 |
住所 | 東京都品川区西五反田8-4-13 五反田JPビルディング9F |
設立年月 | 2015年4月28日 |
上場市場 | 東証グロース(7342) |
運用者数 | 40万人 |
預かり資産 | 1兆1,000億円 |
登録番号 | 関東財務局長(金商)第2884号 |
設立は2015年4月28日と新しいですが、すでに東証グロースに上場。
運用者数は40万人で、国内ロボアドバイザー市場のシェア率は約70%です。
Q. ウェルスナビが倒産した際はどうなりますか?
長期の資産運用において特に怖いと感じるのは、利用会社の倒産でしょう。
ウェルスナビの資産とユーザーの資産は、別々に管理されています。
もしウェルスナビが倒産しても、運用していた資産が0円になってしまう可能性は、原則としてありません。
きちんと保護されることになっています。
ウェルスナビは短期投資ならやめたほうがいいが長期ならおすすめ
短期で利益を上げられる保証はないウェルスナビ。
しかし長期投資すればするほど、利益になる可能性が高まります。
自動投資なので、知識は不要で、しかもラクです。
運用者数や預かり資金の多さは国内ナンバーワンの実績も持っています。
投資する商品・国・時期の分散により、リスクをおさえているのもポイント。
短期投資ならやめたほうがいいですが、長期投資ならおすすめのサービスです。