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テーパリングとは?市場への影響やいつ発生するのか投資初心者でも分かりやすく解説

2021年になってから経済ニュースで「テーパリング」という言葉をよく耳にするようになりました。

投資家達は「テーパリングによって株価が大きく変動する!」と懸念している人も多く、株式投資初心者にとって心配になる要素です。

今回はテーパリングとはどのようなものなのか解説していきます。

テーパリングによって株式市場がどのような影響を受けるのか、2021年にテーパリングは実施されるのかなどの問題も分かりやすく解説していきます。

テーパリングについて疑問を持っている人は、参考にしてください。

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テーパリングとは

テーパリングは中央銀行が実施してきた量的金融緩和を縮小させていくことです。

テーパリングは英語のtaperingのことであり、先細り・漸減を意味します。

よって、縮小するといっても一気に縮小するのでは無く段階的に縮小させていきます。

量的金融緩和政策を縮小させていくこと

量的金融緩和政策は、国際や不動産担保証券を買い入れすることによって市場に大量の資金を供給します。

金融緩和政策は、金利を下げる政策を中心におこないますが、先進国の場合低金利政策がすでに実施されていることも多く政策金利の引き下げで金融緩和するのが難しくなっています。

上記の理由からも、量的金融緩和政策は有効手段として利用されています。

市場に出回る資金量が増えると金融機関が企業や個人への貸付する条件が甘くなり、経済が活性化していきます。

ただし市場にお金が余分に供給されている状態なので景気が過熱気味になって経済や金融市場のリスクを高めてしまうデメリットも持っています。

なので中央銀行は余分に供給されている状態でのリスクを回収する為にテーパリングを実施して資金量をコントロールしています。

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テーパリングで株式相場は影響を受ける?

よく投資家が「テーパリングによって株価が下がる」と懸念しています。

テーパリングは株式や為替市場に影響を与える可能性が高く、投資家達はいつテーパリングが行われるのか注目しています。

理論上では株価が下がる

理論上ではテーパリングの実施によって株価は下がることになります。

テーパリングを行うと金利が上昇し、株価の本来示す価値が低下し、量的金融緩和によって上昇した株価が割高だと判断されます。

そして株式を売却する投資家が増えてくることによって株価が下がります。

テーパリング発言によって市場が一時混乱する

理論上ではテーパリングによって株価は下がりますが、市場がテーパリング事情を知っている上で動いているとそこまで大きな影響はありません。

それよりもテーパリングを重要人物が突然公言すると、一瞬混乱する可能性があります。

例として、2014年にFRBがリーマン・ショックからおこなっていた量的金融緩和の金利引き締めをするとして、テーパリングを実施した件が挙げられます。

テーパリングを実施した2014年1月~10月の間で株価の大変動は発生していませんが、2013年5月にFRBバーギン議員のテーパリング公言で市場が反応しています。

テーパリング公言

FRBバーギン議員のテーパリング公言で、5月22日~5月23日にかけて日経平均株価が7%以上下落しています。

2021年の株式相場でなぜテーパリングが注目されているのか

リーマンショック後に米国で行われたテーパリングですが、2021年になってなぜ再び注目されているのか疑問に思う人もいますよね。

2020年パンデミックに認定された新型コロナウィルスによって世界経済は大きなダメージを受けました。

新型コロナウィルス感染拡大によって日経平均株価やNYダウは大幅に下落して、原油などは初のマイナス数値にまで落ち込みました。

そこで、新型コロナウィルス感染拡大によって大ダメージを受けている経済や市場の下落を支える為に2020年3月から対策が発表されています。

これからテーパリングと新型コロナウィルスの関係について解説するので、なぜ再び注目されているのか把握しましょう。

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2020年のコロナショックによって米国は量的金融緩和政策を開始

米国では2020年3月頃から政策金利の引き下げと6月に量的金融緩和政策をスタートさせています。

ヨーロッパでも同じく欧州中央銀行が、新型コロナウィルスによる経済打撃から回復する為にパンデミック緊急購入プログラムを実施し、約93兆円の買い入れをしています。

量的金融緩和によって経済が急速に回復してインフレ懸念が起きている

量的金融緩和によって下支えしているなあ、アメリカはワクチンの開発と普及に努め経済活動が通常通りに戻りつつあります。

結果アメリカの経済は急速に回復をはじめています。

経済回復は大変喜ばしいことですが、急激なインフレによって国民生活が苦しくなったり、金融市場でバブルが発生し市場に歪みが発生する懸念もあります。

アメリカの消費者物価指数を見ると、直近3ヶ月の数値が急増しており、4.2・5・5.4となっています。

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この上昇をみると急激なインフレになる可能性があり、インフレ懸念から「テーパリングが実施されるのでは?」と考えている投資家が多いです。

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FRBはいつテーパリングを行うか投資家達は見定めている

投資家達はFRBがこの現状をみながら、いつ金融緩和の引き締めを行うか投資家達は見定めています。

現時点では2021年テーパリングを公言しておらず、消費者物価指数の上昇も一時的と捉えています。

2021年にテーパリングが行われると市場は混乱する?

2021年にテーパリングがもし実施されれば、前回のテーパリング公言とおなじ混乱が起きるのか心配になりますよね。

2013年はテーパリングについて突然公言してしまった為、市場もテーパリングを織り込んで動いておらず、一瞬動揺してしまった形になっています。

これから2021年にもしテーパリングが行われたら市場がどうなるのか分析していきます。

年始から情報を小出ししていた為大きな変動は起きない可能性が高い

FRBは2021年7月27.28日にテーパリングについて連邦公開市場委員会で話し合っていましたが、具体的なテーパリング開始時期の発表はありませんでした。

パウエル議長は現在のインフレ状況を一過性と主張しており、経済の進展がどうなるかまだ明確にわかっていません。

加えて2013年の市場が混乱する状況を知っている為、テーパリングを行うとしても計画を発表して実施する可能性が高いです。

なのでもし2021年にテーパリングの公言があったとしても、明確な計画を発表する可能性が高く、市場自体もテーパリング情報を織り込んでいる状態なので、大きな変動は起きない可能性が高いです。

テーパリングは株式・為替市場に大きな影響を与える

テーパリングは量的金融緩和を徐々に縮小することで、テーパリングの公言によって株価・為替市場に大きな影響を与える事が分かりました。

まとめ

テーパリングは公言によって株価が暴落する可能性あり。公言後は注意が必要!                

ただし2021年に懸念されているテーパリングは、明確な計画がまだ発表されておらず、実施するのはまだ先の見込みです。

ただしアメリカの消費者物価指数が長期に渡って上昇すると突然テーパリングを公言する可能性もあります。

FRBがテーバリングを示唆する発言をした場合注意が必要

今後は、FRBなどの動向に注目しながら投資判断していく必要があります。

テーパリングを公言していないものの、テーパリングに関する話は2021年の7月に行われているので、今年実施されなかったとしても、ここ数年はテーパリング情報をしっかりチェックしておくべきです。

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