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FXとは?

FXの打診買い・打診売りの方法と内容を分かりやすく解説

打診買い・打診売りとは、トレンドが転換しそうだなと感じた際に様子を見ながらポジションを持つことを言います。

例えばレートが下落局面にあるとき、「そろそろ底値をつけて上昇が始まるんじゃないか?」と思ったところに買いを入れる、といったような事を指します。

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打診買い・打診売りをする理由

何故打診買い・打診売りをするのか?

「上昇すると考えているのであれば、最初から自身の許容する範囲の最大LOTを入れた方が利益が大きく取れるのではないか?」

そう考えられる方も多いのではないでしょうか?

大前提として、相場に絶対はありません。

これを先ずは念頭に置いて文章を読み進めて頂ければと思います。

例えば、現在の相場環境が、下落トレンドにあるとします。

投資家/投機家に意識されるキリ番(100.000や100.100などのキリの良いポイント)や、日足レベルで何度も反発をしているようなライン付近にレートが差し掛かっているような値動き。

「このラインで何度もレートは止められているからそろそろ上昇するだろう」

こう考えて、買いで入ろうと戦略を立てます。

しかし、そういう皆に意識されるラインの少し外側には大抵大きなストップ注文が溜まっているもの。

なので、今回のケースで言うともしその根拠としたラインを突破されてしまった場合、大きく下落する可能性があります。

一旦止まる素振りを見せるも、大きく下落する。

これと言うのは、同じように反発ラインを根拠に新規で買いに入ったトレーダーの損切まで巻き込んで下落するため、下落するスピードはとても早くなります。

一旦止まる素振りを見せたとしても、実際に止まるかどうかは誰にもわからないのです。

そこで、打診買いの出番です。

レンジを形成しつつある環境下で、レンジの下限ラインで試しに買うことで、もし背中を任せていたラインを突破されたとしても、損失はかなり軽減させることができます。

そして、レンジ上限を上抜き上昇したのであれば買い増していく。

こうして、足元を固めながら堅実なトレードを行うことができるのが打診買い/打診売りなのです。

打診買い・打診売りのメリット

損失リスクが減り損切ラインを広く取れる

打診買い/打診売りは少量のポジションから入っていく手法なので、損失リスクが減り、損切ラインを広く取れるメリットがあります。

天井/底値圏の動きも取ることができる

打診買い/打診売りをするタイミングはズバリ逆張りタイミングです。

逆張りタイミングとは、下落トレンドの局面にある環境で、ダウ理論によるトレンド認識でまだ上を向いていない段階で買いに入るということです。

(今回の例の場合、安値更新波を作った波の始点となる高値を、レートがまだ上抜いていない段階ということです。)

打診買い/打診売りが噛み合えば、狙った波の根元から取れるので、利益の最大化が可能となります。

相場の状況把握をより正確に判断することができる

少量でもポジションを持っている事で、実際に相場の値動きを体感することが出来ます。

スクエア(ポジションを持っていない状態)の時と実際にエントリーしているときでは精神状態が大きく違います。

自分の大切なお金を掛けているわけですから、違って当然ですね。

その分、相場を観察する姿勢と言うのも自然と変わってくるので、より正確な状況判断に繋がってくるというのも一つのメリットです。

※大きなポジション、負けてしまうと嫌な気分になってしまう金額を掛けている状態だと、かえって冷静な判断が出来なくなるケースの方が多いので、「少量でポジションを持っている状態」というのがとても重要なポイントになります。

打診買い・打診売りのデメリット

取れたはずの利益が減る可能性がある

自分が動くと考えた方向へ素直にレートが動いた場合、最初から最大LOTで入っていた方が大きく儲かった、というような事になります。

これはFXをしていると必ず経験することです。必ずです。

そうなった際に、後悔してしまうタイプの性格なのか、それともリスクヘッジを重視し、堅実なトレードが合っているタイプの性格なのか。

自分自身としっかり相談して決める必要があります。

相場を持続して観察しておかなければならない

打診買い/打診売りをするということは、その後自身が立てた戦略通りにレートが推移した際には増し玉をしていくということです。

決め打ちしているトレードであれば、エントリー後放置していても勝手に結果が出てくれますが、打診買い/打診売りはその後の動向も見続ける必要があり、拘束時間が増え、手間もかかります。

一番やってしまいがちなのは、仕事や用事などで増し玉のタイミングを逃してしまうことです。

こうなってしまうとトレードが低ロットで完結してしまうため、利益が極端に少なくなってしまいます。

無限ナンピンに陥る可能性がある

待ち構えていたライン付近までレートが落ちてきたとします。

しかし、実際にその待ち構えていたポイントよりも少し手前でレンジを形成してしまったとしましょう。

レートが待ち構えていたポイントまで落ちてくる保証はどこにもない。もしかしたらこのレンジを上抜いて上昇が始まってしまうかもしれない。

乗り遅れてしまうと感じ、待つことが出来ず見切り発車気味に「打診買いだ!」とエントリーをする。

そして、実際には待ち構えていたラインどころか、そのラインを割ってレートが落ちてきたとしましょう。

直ぐに損切をする人であれば、ここで一旦逃げてもう一度戦略を立て直せば何も問題無いのですが、「打診買い」でのエントリーのため、低LOTでエントリーした分損失はそこまで大きくありません。

それを理由に、予め立てた戦略と違う値動きをされた時に「もうこれ以上は下がらないだろう」と考え、更に買いを入れる。

これを繰り返して行う事を「ナンピン」と言いますが、ナンピン買いしてそこから思うように上昇すれば何も問題無いのですが、そのまま下落が続いてしまうとただただ損失を増やし続ける行為となり大変リスクの高い行動となってしまいます。

初心者の方の打診買い/打診売りでは、このナンピン地獄にハマりやすい傾向にありますので注意が必要となります。

基本的にナンピン戦略はエントリーする前に予めルールが決まっているからこそ力を発揮するものなので、窮地に立たされた時の逃げの手段として使用するのはとても危険ですのでやめておきましょう。

打診買い・打診売りに向いている人

  •  堅実なトレードを目指している人(初心者の方)
  • 待つのが苦手な人
  • エントリーした後でも相場をチェックできる人

初心者の方によくあるのが、「狙い定めていたポイントまでレートが来るのを待つことができない」「決めていたエントリーサインが点灯する前にエントリーしてしまった」というようなもの。

どうしても待てないという方は、一度「打診買い/打診売り」というのを取り入れてみるのもトレードが好転する一つの手かもしれません。

打診買い・打診売りに向いていない人

  • エントリー直後から大きく利益を取りたい人
  • エントリーした後に相場をチェックできない人
  • そこまで手間を掛けたくない人

打診買い/打診売りは手間がかかります。増し玉をしていかなければならないからです。

入り口と出口を決め、エントリーしたら後は極力放置したいというトレードスタイルを確立させたい方には打診買い/打診売りは向いていません。

日中にエントリーをしているが、仕事が忙しくて相場を見れないという方もあまり向いていない手法だと言えるでしょう。

因みに筆者は後者で、日中に相場を見る事は可能なのですが、波の根元から大きく取りたい派なのでいきなり大きなLOTから入ります。

トレードスタイルというのは正解がありません。

自分自身としっかり相談し、自分に合ったトレードスタイルを身に付けましょう。

FXの打診買い・打診売りは万人におすすめの手法ではないので注意

先ほども申し上げた通り、トレードスタイルは十人十色であり、万人に合う「これが絶対正しい!」というものは存在しません。

自分が実際にトレードしていて、健全な気持ち/メンタルで普段通りに生活できるものが正しいトレードスタイルとなります。

無理をせず、健康的なトレードライフを送りましょう。

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