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FXとは?

FXチャートの見方をローソク足の仕組みから鉄板チャートパターンまで分かりやすく解説

当然ですが、FXではチャートへの理解がなければ分析や注文はできません。

FXを始める前からチャートに見慣れていた方はほとんどいませんが、ポイントを押さえれば未経験でも早い段階でチャートの見方を理解できるようになります。

今回は、FXのチャートの基本的な内容と見方を初心者にもわかりやすく解説していきます。

【FX初心者】FXの始め方とは?初心者がチェックすべき稼ぎ方・やり方と失敗を防ぐ方法

※本ページにはPRが含まれます。

FXチャートは政策金利差の推移を表す

FXチャート

FXチャートで表されるのは、2つの通貨の政策金利差の変動となります。

FXチャートは毎秒毎分せわしなく動いていますが、その理由は大きく2つに分かれます。

  • 2国の政策金利が変動している
  • 投資家の動きが売り・買いに分かれる

実際は政策金利の方針よりも、投資家の思惑によってチャートが動くケースのほうが多いです。

FX取引は買い(ロング)だけでなく、チャートが下落推移で売るショートでも利益を得られるので、1つの局面での投資家の動きは2つに分かれます。

結果的にどちらが優勢かによって、チャートの上下動は大きく後押しされます。

FXチャートの3つの種類

FXチャートは、大きく以下の3種類に分けられます。

  • ローソク足チャート
  • ラインチャート
  • バーチャート

現在はローソク足チャートを使ったチャート表示が主流ですが、人によってはラインチャートやバーチャートなど見やすいほうを選択しているパターンも多いです。

各人が取引に利用するチャートの仕組みを覚えておけば問題はないですが、様々なメディアを参考にする上で他のチャートのことも知っておいたほうが良いでしょう。

ローソク足チャート

ローソク足チャートは世界で最も広く利用されているチャートで、金利や株価など幅広いものに用いられます。

実体とヒゲで構成されており、それぞれの組み合わせで多くの情報を発信できるため、他のチャートより好んで利用されています。

江戸時代に米商人の本間宗久を言われる日本発のチャートということもあり、日本での利用率は圧倒的ですが、海外FXなどは別のチャートを使っていることも多いです。

ラインチャート

ラインチャート

ラインチャートはその名の通り、折れ線グラフで構成されるシンプルなFXチャートです。

シンプルな分、情報量は乏しいですが、トレンドの動向を一目で見極められるのが魅力です。

瞬発力が必要な短期売買などで用いられたり、ローソク足チャートと併用されたりすることも多いです。

バーチャート

バーチャートは縦棒と横棒で値動きを表したもので、基本的な仕組みはローソク足チャートと同じです。

欧米では使われることの多いチャートですが、日本人なら日頃から慣れているローソク足チャートを利用したほうが良いでしょう。

FXチャートの見方

FXチャートの分析は、まずローソク足チャートから覚えることをおすすめします。

ここからは、ローソク足チャートの正しい見方を初心者にも分かりやすく解説していきます。

縦軸と横軸

ローソク足チャート

FXチャートの縦軸は価格、横軸は時間を表します。

チャートは左から右へ更新されていきますが、時間の単位はどのチャートの種類を選ぶかで変わります。

  • 秒足:秒の値動き
  • 分足:分の値動き
  • 日足:1日の値動き
  • 週足:1週間の値動き
  • 月足:1カ月の値動き
  • 年足:1年の値動き

多くのローソク足チャートは時間の単位を切り替えることが出来るので、取引手法や分析手法に応じた設定ができるかどうかが鍵です。

実体とヒゲ

実体とヒゲ

ローソク足チャートは太い部分の実体と、細い部分のヒゲに分かれます。

実体の色とヒゲの長さや形の組み合わせでチャートを表示するのがローソク足チャートの基本的な仕組みです。

上ヒゲが長い場合は売り優勢、下ヒゲが長い場合は買い優勢というのが基本的な意味合いで、実体との組み合わせで現在の傾向と今後の見通しを測ることができます。

陽線と陰線

実体は赤色の陽線と青色の陰線の2種類があり、始値より終値が高い上昇トレンドが陽線で、始値より終値の低い下降トレンドが陰線となります。

陽線・陰線は、実体やヒゲの長さによっていくつかの種類に分かれます。

陽線・陰線の種類

ローソク足の形はそれぞれ、以下の意味を持ちます。

ローソク足の形内容
小陽線少し価格が上昇したサイン
小陰線少し価格が下降したサイン
大陽線買いの勢いが強い
大陰線売りの勢いが強い
上影陽線
  • 高値圏から下落へ転換するサイン
  • 安値圏から上昇へ転換するサイン
上影陰線高値圏から下落へ転換するサイン
下影陽線安値圏から上昇へ転換するサイン
下影陰線
  • 高値圏から下落へ転換するサイン
  • 安値圏から上昇へ転換するサイン
寄引同事線(十字線)買いと売りの勢力が拮抗しているサイン

FXの代表的なチャートパターン

FXチャートはある程度の規則性を持って動いているため、鉄板のチャートパターンと同じ形になっていれば、そこから今後の動向を予測することができます。

チャートパターンは、逆方向に動く反転パターンとトレンドが続行する継続パターンの2種類に分けられます。

反転パターン

反転パターン

反転パターンが現れれば、チャートは今後逆方向に動く可能性が高いです。

反転パターンの際にトレーダーがすべきことは、以下の2つです。

  • リスクを回避するため、エントリーを控える
  • 逆張りでトレードをおこなう

トレンド反転時の取引はリスクが高いですが、上手く活用すれば大きな利益が見込めます。

代表的な反転パターンには、以下があります。

名称内容
ヘッド&ショルダー人の頭と肩のような3段の波動高い確率でトレンドが反転する
ダブルM字型の反転パターン前回高値の反発を見たトレーダーの動きによって下降
スパイク瞬間的に突出した後に反対圧力ですぐ戻された状態ヒゲが長いほど反転の兆しが高まる
ソーサー遠目から見ると楕円のような動きをするエントリーポイントが分かりにくく、レンジと混同しがちなので注意が必要
ライントップやボトムで台形のような形になる状態レンジが長いほど反転の可能性が高い

継続パターン

継続パターン

継続パターンは、今後も現在のトレンドが継続することを示すチャートパターンです。

継続パターンとして代表的なのが、以下の4種類です。

名称内容
トライアングル三角形のチャート形状で数週間~数か月かけて形成三角形を作る前のトレンドに戻ることが多い
ペナントペナントのような形を作りながら、上値と下値間でもみ合うしばらくもみあった後に、再び強いトレンドに復帰する
フラッグ上昇トレンドの途中で現れ、もみ合いながら旗のような形を形成しばらくもみあった後に、再び強いトレンドに復帰する
ウェッジ上値と下値間でもみ合うブレイクアウトの方向に大きな値動きを見せやすい

FXチャートの実践的な見方

FXチャートを簡単に分析する方法

FXチャートの分析機能はFX会社が分かりやすい形で提供しているので、初心者でも機能を使えば簡単に意味を理解することができます。

今回は、GMOクリック証券が提供する「Platinumチャート」を参考に、チャートの見方を分かりやすく紹介していきます。

➀時間足とBID・ASKを理解する

チャートをチェックする前に、まずは時間足の設定に注意しましょう。

時間足

時間足はローソク足が表示される時間間隔を表します。1分足なら1分に1本、3本足なら3分に1本となります。

短期相場を分析する場合は時間足を短く、長期の場合は長く設定を変えます。

初心者の場合は、とりあえず1時間足に設定しておけば良いでしょう。

次に、BIDとASKの選択に注意しましょう。

BIDとASKの選択

BIDは売値、ASKは買値の意味で、ロング取引の際はBID、ショート取引の際はASKに切り替えて値動きをチェックする必要があります。

②テクニカル指標設定をする

テクニカル指標設定

チャート分析で大切なのが、テクニカル指標の設定です。

テクニカル指標はトレーダー自身でチャートに線を描いて分析することもできますが、最初のうちは搭載されている機能を利用するだけで事足ります。

上記画面のように、テクニカル指標の候補がいくつか表示されるので、状況に合わせたものを選択します。

一目均衡表

例えば「一目均衡表」を選択した場合、GMOクリック証券のPlatinumチャートでは上記のように表示されます。

ただ、テクニカル指標はチャートの動きに意味をもたせるためのもので、最終的な判断はトレーダー自身がおこないます。

例えば、ストキャスティクスというオシレーター系のテクニカル指標は、%K・%Dと呼ばれる2つのラインの状態を元に売買サインを分析します。

  • 20より下で%Kが%Dを上抜け:買いのサイン
  • 80より上で%Kが%Dを下抜け:売りのサイン

テクニカル指標の表示は機能に任せれば良いですが、トレーダーに知識がないと分析・判断はできません。

FXのテクニカル分析とは?2つの種類と初心者におすすめの手法・分析時の注意点を徹底解説

③ライン・アングルを活用する

チャートを分析するために、初心者のうちから使い慣れておきたいのがラインの引き方です。

FXチャートのラインの引き方

ラインは上記のようにトップ(上値)を結んで引く場合と、ボトム(下値)を結んで引く場合があります。

トップを結んだ線を突き抜けて上昇している場合はこのまま上昇トレンドが続く、ボトムを割った場合は下降トレンドが続くといった分析は日常的におこなう必要があります。

ラインと同じ頻度で利用したいのが、アングルと呼ばれる、三角形を表示する機能です。

FXチャートのアングル

FXチャートはトップやボトムが一直線上に並ぶだけでなく、上記のように値動きが三角形の中に収束していく場合もあります。

上記の場合は前述のトレンド系指標「トライアングル」に当てはまります。

初心者のうちは基本的なテクニカル指標と、ライン・アングルの操作からしっかり覚えていきましょう。

FXチャートを見る時の注意点

FXチャートを分析する際は、いくつかの点に注意をする必要があります。

ここからは、特にFX初心者が注意すべきポイントを解説していきます。

ラインを描かずにチャートを分析するのは危険

FX会社が提供する取引ツールの多くには、チャートへ自由に線を引ける描画機能が付いています。

チャートへ自由に線を引ける描画機能

チャート分析をする際は、この描画機能を使って実際にチャートで線を引いて相場をチェックしましょう。

実際に線を引いてみることで、現在のチャートの流れをより具体的に理解することが出来ます。

チャートに見慣れない状態でトレードを始めない

FXチャートは初心者にとっては難解に思えるものですが、様々な形のチャートを見て考えることで、だんだん見方が分かってきます。

ただ、FXチャートの見方が全く分からないまま取引を始めるのは危険です。

基本的なチャートパターンの理解は取引を始める前に済ませておかないと、リスクが大きくなってしまうので注意しましょう。

FX初心者にありがちな怖い失敗とは?よくある失敗談から学ぶ損失リスクを回避する方法

チャートパターンに必ず当てはまる訳ではない

FXチャートの形が全て、書籍などで紹介されているようなチャートパターンに当てはまる訳ではありません。

FXチャートが必ずパターンに当てはまると考えてしまうと、似て非なるパターンを使って分析をして、予想を外してしまいます。

FXチャートはパターンで捉えられないケースがほとんどですし、メジャーなチャートパターンが現れても他の要因が影響して予想に反する動きを見せることもあります。

チャートパターンを用いた分析の際は、以下の2点を心掛けましょう。

  • 前後の動きも合わせてチェックする
  • 他の分析方法と組み合わせる

FXチャートの見方は早い段階で覚えよう

FXチャートの見方が分からなければ、FX取引を上手く進めることはできません。

知識0の初心者にとってFXチャートは無機質な推移に見えますが、知識を付ければ今後の推移に対して精度の高い予測が出来るようになります。

FXチャートの見方が分からないのは地図無しで山登りをするようなものと表現する方がいましたが、早い段階でチャートに関する知識を習得することで配信ニュースやアナリストのレポートなどの中身も理解しやすくなります。

トレーダーとしてスムーズに成長したいなら、まずはFXチャートの基本的な知識を習得しましょう。

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