【投資家への注意喚起記事】虚偽記載と売上の水増し問題とは?
2023年11月、証券取引等監視委員会は株式会社創建エースに対し、金融商品取引法違反(有価証券報告書等の虚偽記載)で約7,844万円の課徴金納付命令を勧告しました。初心者投資家向けに今回の内容を整理してみます。
何が問題だったのか?
創建エースの連結子会社は、本来存在しない工事を「請け負ったかのように装い」、売上を計上していました。
実際には同社は工事に関与せず、資金だけを融通していたにもかかわらず、売上と原価を「見せかけ」で積み上げていたのです。
これにより、同社の有価証券報告書や四半期報告書に虚偽の記載がなされ、投資家に誤った財務状況を伝えていました。
虚偽記載の対象となった書類
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令和3年12月期 第3四半期報告書
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令和4年3月期 有価証券報告書
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令和4年6月・9月・12月の四半期報告書
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令和5年3月期 有価証券報告書
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令和5年6月・9月の四半期報告書
さらに、これらを基にした新株予約権の募集目論見書にも虚偽記載があり、約13億円超の資金調達が行われました。
投資家にとってのリスク
投資家がもっとも注意すべき点は、こうした「粉飾決算」が、
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株価を一時的に高く見せる
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資金調達で既存株主が不利になる
という直接的なリスクを伴うことです。
今回のケースでは、売上が「水増し」されていたため、投資家は実態以上に好調に見える会社へ投資していた可能性があります。
まとめ
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創建エースは売上を水増しして財務状況を虚偽記載
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虚偽書類を基に新株予約権を発行し約13億円を調達
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証券取引等監視委員会は課徴金7,844万円を勧告
初心者投資家にとって大切なのは、**「有価証券報告書は必ず正しいとは限らない」**という意識を持つこと。特に不自然に業績が良い会社や、新株発行を繰り返す会社には注意が必要です。
👉 投資の世界では、「数字は作れる」ことがあります。必ず複数の情報源をチェックして、自分の目でリスクを見極めていきましょう。
元記事:株式会社創建エースにおける有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
別件同一案件記事:株式会社アルファクス・フード・システムにおける有価証券報告書等の虚偽記載等に係る課徴金納付命令及び訂正報告書等の提出命令勧告について






