
逆イールドとは…
1. 逆イールドとは?
逆イールドとは、短期金利(2年国債など)が長期金利(10年国債など)を上回る状態のことを指します。本来、長期の債券ほどリスクが高いため、投資家はより高い金利(利回り)を求めます。しかし、逆イールドが発生すると**「短期金利 > 長期金利」**という通常とは逆の現象が起こります。
2. 逆イールドが発生する背景(なぜ起こるのか?)
逆イールドが発生する主な理由は、「景気後退(リセッション)」の予兆と考えられています。その背景を分かりやすく説明します。
(1)中央銀行が金利を引き上げる
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経済が加熱し、インフレ(物価上昇)が進むと、中央銀行(例:日本なら日銀、米国ならFRB)が金利を引き上げる(利上げ)。
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これにより、短期金利(短期国債の利回り)が上昇する。
(2)将来の景気が悪くなると考え、長期債が買われる
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投資家は「今後、景気が悪くなり、中央銀行は利下げを行うだろう」と予想する。
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そうすると、安全資産である長期国債(10年など)を買う投資家が増える。
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債券が買われると、価格は上がり、金利(利回り)は下がる。
(3)短期金利 > 長期金利となり、逆イールドが発生
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短期金利は中央銀行の利上げの影響で高くなる。
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長期金利は国債の買いが増えて低下する。
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その結果、短期金利が長期金利を上回り、逆イールドが発生する。
3. 逆イールドの意味と投資への影響
逆イールドは過去のデータから**「景気後退のシグナル」**とされることが多いです。
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過去の事例:米国では逆イールドが発生すると、1~2年以内に景気後退が起こることが多かった。
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株式市場への影響:景気後退の懸念から株価が下落しやすくなる。
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投資家の行動:
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短期的にはボラティリティ(変動性)が高まるため、リスク管理が重要。
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長期投資家は景気後退局面で割安な優良株を仕込むチャンスと捉えることもできる。
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4. まとめ
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逆イールドとは「短期金利が長期金利を上回る現象」。
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主な原因は「中央銀行の利上げ」と「景気後退の予測」。
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景気後退の前兆とされることが多く、株式市場にも影響を与える。
逆イールドが発生した際には、単に恐れるのではなく、市場の動きを冷静に分析し、リスクを管理しながら投資を行うことが重要です!