
株式投資における銘柄選択で重要なポイント5 〜減配/増資/自社株買いがないこと〜
株式投資をする際に、銘柄選びの大切なポイントの一つが「減配・増資・自社株買いの動向」をチェックすることです。特に、減配や頻繁な増資を行う企業は注意が必要です。反対に、安定した配当を続ける企業や、自社株買いを適切に行う企業は、長期投資に向いています。
この記事では、「減配・増資・自社株買い」のそれぞれの意味と、投資の際にどのように考えればよいかを、初心者にもわかりやすく解説します。
🔹 ① 減配(配当を減らすこと)
「減配」とは、企業が支払う1株当たりの配当金を減らすことです。
📍 減配の原因
- 企業の業績が悪化し、配当を支払う余裕がなくなる
- 設備投資や事業再編などに資金を回したい
- 経営の方針が変わり、配当よりも成長投資を重視する
📍 減配の影響
- 株価の下落要因になる(配当を期待していた投資家が売るため)
- 「経営が不安定」というシグナルと捉えられる
💡 初心者向けアドバイス:
長期投資では、安定した配当を続ける企業を選ぶことが大切です。過去の配当履歴を確認し、減配の実績がない企業や、連続増配を続けている企業を選びましょう。
📍 参考例(日本企業)
✅ 良い例:花王(4452)、KDDI(9433) → 長年にわたり連続増配
❌ 注意が必要な例:業績悪化で減配を繰り返している企業
🔹 ② 増資(新しく株を発行して資金を集めること)
「増資」とは、企業が新しく株を発行して資金を調達することです。企業にとって資金調達の方法の一つですが、投資家にとってはデメリットになることがあります。
📍 増資の種類
- 公募増資(一般投資家に向けて新株を発行)
- 第三者割当増資(特定の企業や投資家に向けて新株を発行)
📍 増資のデメリット(投資家にとっての悪影響)
- 株式数が増えるため、1株あたりの価値が希薄化する(既存の株主にとって不利)
- 増資が繰り返されると、資金繰りが厳しい企業と判断される
- 株価が下がる要因になる(増資発表後に株価が急落することが多い)
📍 増資の例
- 成長投資のための増資(新規事業や工場建設のため → ポジティブ)
- 資金繰りのための増資(業績不振で資金が足りない → ネガティブ)
💡 初心者向けアドバイス:
頻繁に増資を繰り返している企業には注意が必要です。過去の増資履歴を確認し、安定した資金運営ができている企業を選ぶことが大切です。
📍 参考例
✅ 良い例:トヨタ(7203) → 安定した財務体質で不要な増資なし
❌ 注意が必要な例:赤字が続いて増資を繰り返す企業
🔹 ③ 自社株買い(企業が自社の株を市場で買い戻すこと)
「自社株買い」とは、企業が自社の株を市場で買い戻すことです。
📍 自社株買いのメリット
- 株価の下支えになる(企業が買うため、需給が改善)
- 1株あたりの利益(EPS)が増加する(発行済み株式数が減るため)
- 株主還元の姿勢を示せる(投資家にとって好材料)
📍 注意すべき自社株買いのケース
- 業績が悪化しているのに自社株買いを行う企業(経営戦略として疑問)
- 自社株買い後にすぐ増資をする企業(投資家を裏切る行為)
💡 初心者向けアドバイス:
良い自社株買いは株価にとってプラスですが、企業の財務状況とバランスを見て判断しましょう。
📍 参考例
✅ 良い例:ソニー(6758)、キーエンス(6861) → 効果的な自社株買いを実施
❌ 注意が必要な例:自社株買い後に増資を発表する企業
🔹 まとめ:投資家が意識すべきポイント
✅ 減配しない企業を選ぶ(連続増配の実績がある企業が理想)
✅ 頻繁に増資をしない企業を選ぶ(財務が安定しているか確認)
✅ 適切な自社株買いをしている企業を選ぶ(無理のない範囲での実施がベスト)
📌 初心者向けのおすすめ銘柄選びのポイント
① 連続増配の実績がある企業(5年以上増配している企業をチェック)
② 財務が安定している企業(負債が少なく、増資をしていないか確認)
③ 株主還元に積極的な企業(適切な自社株買いを行っているか)
このような視点で銘柄を選ぶことで、長期的に安定した投資ができるようになります。ぜひ、実際の企業の財務状況や配当履歴をチェックしながら、慎重に銘柄選びを行いましょう!