為替相場の参加者は大きく2通りに分かれる。
一方は、為替差益(=キャピタルゲイン)を狙い短期間に売買を繰り返す者、もう一方は長期間投資することにより金利差による利益(=インカムゲイン)を狙う者である。
これらはよく『投機』と『投資』という短い言葉で使い分け、表現される。
これらが全くの別モノという前提で、よくいわれるのがリスク管理の違いである。
投機行動(トレード)はルールで、(スワップ)投資はレバレッジでリスク管理するというのが一般的、公知の事実である。
ex.長期投資にはストップ注文を設定しないが、短期トレードには必須。
ex.長期はテクニカル分析よりも、どちらかといえばファンダメンタルズに傾倒して戦略をたてるが、短期トレードには通用しないことが多い。
これらを踏まえ、標題の最終的な結論としては...
「一貫性は確率が機能して達成される」(出典:ゾーン — 相場心理学入門 )
ということらしい。
ひらたく言うと、つまり、ミクロレベルでみた投機行動のそれぞれには、確率的な優位性(集団的パターンを各種テクニカル分析ツールを使い発見すること)が必要であり、
マクロレベルで、その(恒常的な)可変要素が存在することを認めた上で、前記確率的優位性に信念を持って、十分な回数繰り返すこと。
まずテクニカル分析(相場心理学を含む)を使いこなせて、はじめて一回一回のトレードに勝利する確率を5%上昇させ、トレーダーとしてスタートラインにたてる。
そして次に来るのが、それらを信じて愚直に繰り返すこと。これがもっとも難しく、ここが相場に永く残れるか退場を余儀なくされるかの分かれ道となる(らしい)。
■W2Cが今取り組んでいること...
・トレンドを捉えるルール作り
(レンジ相場では損切り連発します)
・レンジ相場でワークするトレードのルール作り
(逆張りで小さく利確を繰り返します)
・前記ルールの束への資金配分をコントロールするルール作り
・誰でも取り組めて同じ結果が出ることを前提としたワンデーシステムトレードのルール作り
(ゾーンに一番近い)
・上記を統括する資金管理のルール作り
・長期スワップ狙いのルール作り
(≒外貨預金、投資)
■上記を踏まえシステムトレード作りの前説...
典型的なトレーダーは、都度トレードの勝率にこだわる。
テクニカル指標を駆使して分析するのも、経済指標に注視するのも、あるいはそれらを組み合わせた複雑なルール作りも...
すべては1回1回のトレードの勝率を上げるための努力であり、これが典型的なトレーダーの指すところのルールであろう。
それに対して生き残るトレーダーとは...(我々が目指すトレードは...)
(1) 感情面のリスクを排除することに加えて、
(2) 資金管理という前記(トレード)ルールの上位に位置する最も重要なルールを持つトレーダーである。
トレードの勝利を目指すのではなく、トータルで利益を出すことにこだわる。
感情面のリスクを排除するためには、次に挙げる根本的真実からなるトレードに適した確率的心構えを持つ必要があるらしい...
・何事も起こりうるし、利益を出すために次に何が起こるか知る必要はない。
・それぞれトレードにおける確率的な優位性の意味を理解している。
(勝ち負けは常にランダムに分布する)
・マーケットのどの瞬間も唯一のものである。
いくらそれぞれのトレードルールの勝率にこだわって(確率的な優位性を上げて)も、資金管理というルールがなければいつかは(そのルールがワークしなくなれば)破産して終わる。
非常識な勝率、ハイパフォーマンスを実現するようなトレードのルールは存在しない。
あるとすれば、損切りをしない(ストップを置かない)か、エントリーの回数が極めて少ないルールなのであろう。
現在、世の中に存在する、勝率の高い(一見高そうな)ルールのほとんどは、過去データに対してカーブフィッティングを施しただけのものが多いようである。(過去データに対して合わせ込めば合わせ込むほど、未来には合わなくなる傾向が強い...)
これは、我々の目指すものとはかけ離れたアプローチである。
もちろん各トレードに対する確率を上げる努力はするとして、相場で生き残っていくにはもうひとつの重要なルール、
?資金管理というルール(ex.資金面からの損切りポイント設定、損益比のコントロール、利食いオーダーを置かないトレーリングストップ等々)作りの方に、より力を注ぐ必要がありそうだと考えている。
これをわかりやすく説明するために、単一トレードのルールに話を戻す。
トレードに関して勝率を上げるためには、過去のデータに対して、検証ツール(簡単にはExcel、専門ツールとしてフィボナッチトレーダーやトレードステーションが有名。データ量に不満はあるが外資系業者の提供するVTTrader等もある)を用いてPLカーブを確認するのがスタンダードな方法。
しかし、ここで問題となるのは、検証できないもの(裁量部分を定量化できないもの)が存在すること、しかも意外と多いことである。
たとえば、類似フォーメーション(そのときのマーケットは常に唯一無二ではあるのだが、そこは置いておいて...)からの分析や、サポート/レジスタンスを含むようなルール、日柄やサイクルにテクニカル指標を組み合わせるような複雑なルール...つまりプログラムで書けないものがそれにあたる。
では、これらプログラムにより過去検証できないトレードルールはどうするのか?
ひとつの結論としては、勝率5割で利益を出せるシステムトレード(ex.上に書いたような損益比を1:2に設定するルールや、単純なテクニカル指標でのルールなど)に対して、その勝率を常にモニターするようなルールを設定すること。
例えば。。。
コイントスで...3回投げて3連裏の出現する確率は1/8。まあまあ出にくいこの3連裏が100%以上の確率で出現するトス回数は10回(1024/1024)となり、
実際のトレードではこの3連裏を3連敗として、10回に遥か満たない回数でそれが出現した場合にこの5割の確率を疑う。
⇒ ルールの見直し(1/8がまだ大きいのではと考えるのであれば「4連敗で」にすればよい)
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6月
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